最終更新日 2022/06/05

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62話 答え合わせ

「コウちゃん。こんにちは。」

アキホお姉ちゃんがやって来た。

ちなみに、現在はセキュリティーをしっかりと設定していて、
登録した人間ではないと、入り口の門は開かない事になっている。

「こんにちは。ちょっと、これから、耕作機作りたいから、手が離せないけど?」

「耕作機?何に使うの?」

「そりゃあ。畑を耕すのに使うんだよ。
さっき、確認したら1面が考えていたよりも大きいからね。
さすがに、昔ながらの鍬で耕すのは効率的に悪いから、作ってみようかなってね。」

「なるほどねぇ。何を植えるか決めたの?」

「うん。小麦・芋・ぶどうにするつもり。」

「でも、耕作機なんて作れるの?」

「さあ。作って見ないと分からないけど、こっちには魔法もあるからね。
それでもダメなら他の方法を考えるよ。」

今日の来訪の用件を話し出す。

「今日はね。なんで、フィンテルが発展度が100%になったのか?を聞きに来たの。」

「はぁ?そんなの僕にも分からないよ?
そもそも、発展に影響を与えたなんて思ってもいないし。」

「コウちゃんらしいね。でも、情報を収集すると、コウちゃんの姿が目撃されているの。」

「はぁ?、別にコソコソしていないから当然なんじゃないの?」

「まぁ。普通ならそうなんだろうけど。

普通の人は、国王様や王女様と立ったまま話なんて出来ないよ?何をしたの?」

「う〜ん。自分的には当たり前の事をしたつもりだったんだけど。
今まで、(事情説明)って感じで、王家とは結構、絡んでいたとは思うね。」

「なぜ、フィンテルが発展したか。
なんとなく、分かったわ。やっぱり、コウちゃんの影響ね。」

アカネさん達がやって来た。

「こんにちは〜〜〜♪って、大変な時に来ちゃった?」

「(耕作機を作りながら)アカネさん達いらっしゃい。」

「ううん。大丈夫よ。
なんで、フィンテルがこの時期に発展したのかを、コウちゃんに聞いていたの。」

「それで、何か分かったんですか?」

「ええ。コウちゃんがど真ん中にいたわ。」

「やっぱりですかぁ。コーヤさん以外に有り得ないですし。」

「そうね。知り合っただけで、私達の生活が大きく変わったしね。」

なんだか、言いたい放題言っている。

「いやいや。それって、みんなが頑張ったからでしょ?」

「コーヤ君。確かにみんなも頑張った。でもさ。みんなが頑張って発展するなら、
今ではなくて、もっと前でも全然問題無かったと思うんだよね。どうかな?」

アカネさんから言われて、ゲームを初めた時の事を話す。

「(作業を止めて)むぅ。そこは不思議ではあったんだよ。

僕が始めたのが、8月目前だったから、てっきり、
するべき事は誰かがやっているだろうからと思っていたし。

でも、最初は、こんなもんかと思っていたけど、色々な人(NPC)に出会うようになって、
全然、発展していないなぁって思うようにはなったんだけど。」

「コウちゃんは、最初からスローライフ目的だったから、色々な人に出会えた。
そこなんだろうね。違いは。」

「うんうん。そうですよね。

私達も初期からやっていて、最前線派、まったり派、生産派と大まかに分けるとありますけど、
コーヤさんのように、街の人と交流するプレイヤーは、全体の1割くらいでしょうね。」

ハヅキさんが分析してくれた。

そこにミュウちゃん達が入って来る。

「なんか、面白そうな話しているね。なんの話?」

「ミュウちゃん。ほら、フィンテルが進化するじゃない?

コウちゃんが何かしたからだと思って、聞きに来たの。

そしたら、アカネちゃん達も来て盛り上がっちゃってね。」

シエルちゃんは、至極当然と言った感じで話し出す。

「なんだ。そんな事か。

アキホお姉ちゃんは一緒に暮らした事が無いから分からないだろうけど、
私達からすると、当然の結果だと思っている。」

横でミュウちゃんが頷いている。

「えぇぇ〜!シエルちゃんもミュウちゃんも理由知っているの?お姉ちゃんに教えて?」

ミュウちゃんが話を引き継ぐ。

「お兄ちゃんはね。

昔から、自分がいなくても問題がないと考えたら、先回りするの。

例えば買い物。

近場とかだと、レジに並ぶだけだと考えたら、先に帰って、料理の下準備したりするの。

あと、ゲームでは前衛である必要がないと思った時点で、
わたし達のフォローに徹してくれるとかね。

だから、このゲームでも、検証や攻略は、初期組が終わらせているだろうから、
気にする必要がないと思ったんじゃない?

そしてさ。自分が動かなくても良いように、騎士団とかを強化すれば、
あとは、わたし達見たいな戦闘職がなんとかしてくれると。違う?お兄ちゃん?」

ミュウちゃんがドヤ顔で聞いて来る。

「はぁ。本人のいない所で話して欲しいんだけど。まぁ、概ね当たりかな。

子供の頃から、目立つとろくな事が無いからさ。

でもなぁ。同じ様な考えする人、他にも居てもおかしくないと思うんだけどなぁ。」

「へぇー。コーヤ君ってそんなだったんだぁ。」

アカネさんは感心している。

「なるほどねぇ。まぁ。確かにねぇ。

でも、今後は、他の街や村の進化も参考にすれば、
より良い装備品が手に入るわけだし、人集めて、発展度上げした方が良いかもね。」

アキホお姉ちゃんが、今後の目標にしたようだ。

そこで、あくあさんが挙手した。

ちなみに、あくあさんとリンネさんは、話が盛り上がっている時に来た。

「あのう!わたし、全然裏事情が分からなくて、いきなり神殿にダンジョン見つかって、
魔獣が封印されている!って話が掲示板で投稿されて初めて知ったんです。

その後、今度は修練の間が開放されたと、メッセージ来たけど、何がなんだか。」

あくあさんが、当時を思い出しているようだ。

「あぁぁ。あれねぇ。あれはびっくりしたなぁ(苦笑)」

僕は、見つけた時を思い出した。

「と言う事は、コウちゃん絡みなのね?」

「絡みって(苦笑)でも、当たらずも遠からずか。ソルゲンって知ってる?」

誰も思い当たらないらしく、色々と考えているけど、
アキホお姉ちゃんが、何か思い出したようだ。

「う〜ん。そんな人いたかな。あ。もしかして、コウちゃん。初心者狩りに会った?」

「そう。あの頃は、仕事をするにも依頼するにも、街を知る必要があったから、
冒険者ギルドで聞いたんだ。

”街を探索するついでに出来る仕事はありませんか?”って

そしたら、配達と薬草採取と清掃の依頼があるって言うから、
依頼を受けて、夕方近くになって、報告した帰りに、話で良く聞く展開に発展してね。

それが、ソルゲンとの戦いで、チェーンクエストの様に繋がって行ったんだよね。」

ミュウちゃんが、手を上げて、質問して来た。

「ちょっと待って、お兄ちゃん!清掃の依頼ってマッピングスキル付きの?」

「あれ?良く知っているね。
東地区以外は自分達で地区の清掃をしているって言っていたっけ。」

「そっか。あれって、お兄ちゃんの事だったんだ。

魔獣退治で苦しんでいる時に、ダンジョンに宝箱が存在しないのはおかしいと思って、
冒険者ギルドで聞いたら、マッピングスキル付きの清掃依頼を教えてくれて。

聞き込みすると、話しながら清掃していたって聞いて、頑張ったけど、大変だった。」

シエルちゃんは、当時の感想を話した。

「お兄ちゃんは、どんな魔法使ったの?
聞いたお姉さんは、風魔法だろうって言っていたけど?」

ミュウちゃんが方法を聞いて来た。

「ああ。僕が使ったのは、魔法(初歩)の風魔法だよ。」

みんな、びっくりしている。

「へ!?コウちゃん、初歩で清掃したの?」

「うん?何か変?だって、初歩の方がコントロールも簡単だし。」

「でも。重い物とかは?さすがに持ち上がらないんじゃない?」

「それは、大丈夫。

依頼者に確認したけど、目に見えて大きな塊だったりする物は、
出来るだけ取り除いているって。

依頼者の望みは、塵とか埃に含まれる金属の排除らしいから、
初歩で十分って考えたんだ。」

あくあさんが、思い出したように聞いて来る。

「あの!マッピングスキルって、もう、手に入らないんですか?」

「その点はどうなの?アキホお姉ちゃん。僕は確認していないけど。」

「う〜ん。どうだったかしら。
確か、マッピングのコツを掴めると習得可能だったと思うけど。」

アキホお姉ちゃんが、取得方法を考えていると、おずおず、ユヅキちゃんが手を挙げる。

「ユヅキちゃんなに?」

「はい。多分ですけど、修練の間で習得出来るのではと。」

ここで、みんな修練の間を忘れている事に苦笑する。

「そうだねぇ!ユヅキちゃんえらい!全然、気が付かなかった。」

ユヅキちゃんは、アカネさんに褒められて「えへへ」と照れ笑いをしている。

「と言うわけだから、あくあさんもマッピングスキル取れると思うよ。」

「良かったぁぁ。お姉ちゃん、今度、行って見ようよ!」

「そうね。(にこり)」

「でもさぁ。マッピングスキルもっと簡単に習得出来て良いと思わない?お兄ちゃん!
だって、スキルがないと、宝箱見つからないんだよ!」

ミュウちゃんは憤慨している。

「あはは(苦笑)イベント概要をきちんと見ると、分かると思うけどね。」

「あれ?なんて書いてあったっけ?」

保存してあったメールをみんなに見せる。

《プレイヤーの皆様へ。これより、レイドイベントを開催します。
期間は、明日から10日間となります。
場所はフィンテルにある女神アーシェシュトラ神殿の最深部で、レイドボスの名はケルベロス。
神殿地下にはダンジョンがあり、魔物から出るレア素材の確率上昇のバフ効果の付与や
宝箱を配置をしていますので、レイドボスでポイントを入手し辛い人でも、
楽しめるようになっています。たくさんのご参加お待ちしています。》

「あああ!本当だぁぁぁ!書いてるぅぅぅ!」

ミュウちゃんが絶叫する。

「うん。確かに〈宝箱の配置をしている〉ってあるね。水晶(コーヤ)君は最初から?」

「いやぁぁ。見たつもりになっていたんだけど、当時は忘れていたんだよね。

ただ、最初からダンジョンに宝箱があるのは当たり前だと思っていたから、
マッピングスキル無くても、壁伝いに調べたかな。」

ミュウちゃんが、当時を思い出しながら聞いて来た。

「あ!思い出した。私達が宝箱見つけて、装備を買ってくれるお店をギルドに聞きに行った時、
ギルドの人は、全然、びっくりしていなかった。これって、お兄ちゃんが見つけていたから?」

「うん。冒険者ギルドフィンテル支部長のルクウェルさんと、
フィンテル騎士団団長のヴィオさん、フィンテルにある神殿の司祭セリナと協議して、
教えない事にしたんだ。3人は快諾してくれたよ。

ゲームだからではなく、現実だって、自分で発見したり、
違う方法を自分なりに見つけた時の喜びは、計り知れない程だと思うんだ。

それにさ。苦労しないよりは、苦労した方が確実に自分の物になる。」

「コーヤ君は、色々と考えているんだ。」

アカネさんがしみじみと言う。

そこで、少し、子供の頃の話をした。

「僕は、母方の祖父母に色々な事を聞いて育ったんだ。

その中でも、お祖父ちゃんの生きた時代に、国のトップになった人で、
自分達こそ国を運営するに相応しいと言い続けた人や集団がいた。

しかし、いざ、国民の危機には何も出来ない、何もしない。

そのような集団の話を聞いて、反面教師的に考える力が養えたんだ。

その人物は、最後は無様な死に様を晒したらしいけど。

自己中心的で歴代最悪だったって、良く話してくれた。

その後の同じ党からも、国民の為に働く人材が皆無だったようだよ。

でも、そのおかげで、政治家には任せられないと、反政府の有権者から出来たのが、
20年前に移行した直接民主制の基盤を作り、現在は解党した<新しい風党>で、
今では浸透している、高校生以上の国民が政治を行う直接民主制に、完全移行出来た。」

「初めて聞いたなぁ。わたし達がある程度成長した時には、もう、いなかったし。

シエル!わたし達もお兄ちゃんみたいに、多角的に判断出来る人間を目指そう!」

「うん。そうだね。そんな、史上最低な人間にはなりたくないし。」

「コーヤ君、もう一つ!修練の間は?」

アカネさんが思い出しのか、修練の間の事を聞いて来た。

「ああ。あれは、ユヅキちゃんから話した方が良いかな。」

ユヅキちゃんは自分の言葉で、どんな事があったのかを語った。

「うそ。そんな事があったなんて。その叔父は永久に強制労働してなさいって感じね!」

みんな、ユヅキちゃんの為に怒っている。

「でも、ユヅキちゃんが追い出されなきゃ、修練の間は分からなかったわけだし、複雑だね。」

ここで、シエルちゃんが、来訪の用件を話す。

「そうそう、お兄ちゃんにお願いがあって来たんだった。
王女様が使っていた、変形する高出力砲欲しいんだけど。どうかな?」

「私も欲しいかな。コウちゃん、あれってすぐに出来るの?」

「あれかぁ(苦笑)あれは、魔石に魔力を凝縮させながら入れて行って、
充満した状態にするのに大変なんだよ。」

「そっかぁ。確かに切り札には良いんだけど、一回限定だからなあ。
バスター砲無しバージョンはどうかな?お兄ちゃん。」

「う〜ん。まぁ。2週間程時間を貰えれば、前衛組の分はなんとかなるかな。」

「前衛組は良いなぁ。後衛の底上げするのに良いアイデア無いですか?コーヤさん。」

「心配しなくていいよ。上手く行けば、前衛とか後衛とか関係なく底上げ出来るから。」

「水晶(コーヤ)君、本当にそんな事が出来るの?」

「今は実験段階だけど、期待は持てるよ。最終実験はみんなにお願いするかも知れないけど。」

「はいはーーーい!お兄ちゃん!する!」

この後、魔法などを売買して、各自が好きな事をして解散した。

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